My favorite Three Kingdoms

三国志に特化したコラムをやりたいという思いから開設しました。演義や正史に拘らず楽しみながらやっていきます。

【連載11】三国志武将列伝 魏延文長 (蜀)

魏延は勇猛な武将であり、蜀の君主である劉備には凄く気に入られていて、名実ともに劉備の義兄弟の関羽張飛、また趙雲に並ぶ武将でした。

しかし、学者肌の諸葛亮とはどうも肌が合わなかったようです。

特に、諸葛亮の片腕だった幕僚の楊儀とは、常日頃から怒鳴り合うほど仲が悪かったと言われています。

実力がある武将なのに、奇抜な策を提案しても退けられたり、謀反の罪を着せられたり、何かと理不尽な役回りの多い人物なのです。


でも私は、そんな魏延の好きなエピソードがあります。
かつて劉備魏延に対し、蜀の武将としての心意気を問うたところ、「曹操が天下の兵を挙げて攻め寄せて来たならば、大王(劉備)ためにこれを防ぎ、曹操配下の将軍が10万の兵でやって来るならば、これを併吞する所存でございます!」と答え、劉備は大変感心したそうです。

つまり、社長が新入社員に対し、入社するにあたっての心意気を尋ねた際に、新人君が「少子高齢化が進み、それに伴い労働力の低下が懸念されて先行き不透明なこの御時世、たとえどんな困難が待ち受けていようとも、私は、この会社と社長を必ずや守り抜く所存でございます!」と決意表明するようなものです。こんな新人君、どこにいますか??

私は仕事で弱気になった時、この魏延の言葉を思い出して気持ちを奮い立たせています。

 

最後は、楊儀との確執などから謀反の罪を着せられて諸葛亮の計略で配下の武将に殺されてしまいますが、魏延は蜀という弱小の国を支えた悲運の名将なのです。