My favorite Three Kingdoms

三国志に特化したコラムをやりたいという思いから開設しました。演義や正史に拘らず楽しみながらやっていきます。

【連載8】フライデーオベーション

新型コロナウィルス感染者への対応にあたる医療従事者に感謝の意を表すという事で、毎週金曜日の正午に医療従事者に向けて拍手をしようという取り組み(フライデーオベーション)が行われているという事を最近知りました。

それを見た時、私は職場での忘年会の出来事を思い出しました。

 

数年前、職場の業績が非常に良く、その年の忘年会は大いに盛り上がりました。

いよいよ忘年会もお開きの時間となり、社長が恒例の締めの挨拶をしたのですが、最後に社長はこう付け加えたのです。

「売り上げ目標達成に向け、会社の顔として最前線で動いてくれた営業部に、みんなから拍手を!」パチパチパチ…

この時私は、拍手をしながらも、何か抑えきれないモヤモヤを腹の中で感じていたのです。

 

三国志の話をしますと、劉備亡き後の蜀の国では、諸葛亮が指揮を執り、魏と戦う為の北伐を行っていました。

しかし蜀は、魏に比べると国力が圧倒的に劣り、地理的にも大変不便な場所にありました。

後方を支援する李厳などの食糧輸送担当者は、最前線で戦う兵士達の為に、蜀の桟道と呼ばれる険しい谷に架けれた橋を渡り、連なる山脈を越えて武器や食糧を届けていました。

大変な苦労を強いられていたと言われています。

もし食糧輸送が3日遅れた場合、輸送責任者には死刑が下されます。

最前線で命を懸けて戦う兵士達に感謝の意を示すのは勿論ですが、それ以上に、兵士達に滞りなく武器や食糧を届ける事がもっと重要なのです。それゆえに後方支援の人達も必死だったのです。

 

東日本大震災の時、私は通っていた教室の仲間達と一緒に募金をして、大した金額では有りませんでしたが、寄付をした事があります。

フライデーオベーションで感謝を示す事は勇気付けられて素晴らしいと思いますが、それをSNSやメディアを使って協力を呼びかけるのではなく、募金を呼びかけて寄付をするほうが医療従事者の為になるのではないかと思うのです。

コンビニなどに募金箱が置かれていれば、少しずつでも募金していきます。