My favorite Three Kingdoms

三国志に特化したコラムをやりたいという思いから開設しました。演義や正史に拘らず楽しみながらやっていきます。

【連載13】面接官の採用判断基準

とある記事を読んでいますと、就職における採用面接官が新入社員に対して特に重視している点は何かという事が記載されていたのですが、それによりますと、

① コミュニケーション能力

② 主体性

③ 協調性

以上の3点が挙げられていました。

私のような、そこそこ社会経験をしている団塊ジュニア世代ならば、企業からこれぐらいの事を求められるのは仕方がないのですが、社会経験が全く無い新入社員に対して、この3点に拘って面接官が採用活動をしているならば、これから開花していく彼らの才能の芽を摘み取ってしまう可能性が非常に高いと思うのです。

 

三国志にはいろんな能力や性格の人物が数多く登場します。

魏の人材ならば、荀彧(じゅんいく)や郭嘉(かくか)、賈詡(かく)のように戦場に出て戦う事はできないが、帷幕の中で戦略や計略を立案するのに長けた人物。

典韋(てんい)や許褚(きょちょ)のように、戦略や計略を立案できないが、曹操への忠義に厚く、曹操を護衛するためならば死をも恐れない人物。

また、鄧艾(とうがい)という人物は、生まれつき吃音症に苦しみ、まともにコミュニケーションも取れませんでしたが、彼の才能を役人から見出されて、後に富国強兵や蜀の攻略に貢献をしました。

それぞれの人材の特性を活かし、そして補い合って曹操は組織(魏という国家)を築いていったのです。

 

採用面接の時、新入社員ならば緊張して言葉が出て来なかったり、しどろもどろになる事だってあるのは当然です。

そんな時、面接官が「この新人君は覇気が無く、コミュニケーション能力に乏しいなぁ。はい、ざんね〜ん!」と言って切り捨てるのではなく、面接のプロとして、その新入社員の良さを会話の中から引き出してあげて、会社にとってどこに適した人材なのかをよく見極める必要があるのです。

たとえ、大人しくて主体性が低い新入社員であっても、言われた事を真面目にコツコツとこなしてくれる人材なら、会社にとって必要不可欠なのです。

そんな新入社員の良さを会話の中から引き出せないようでは、その面接官のコミュニケーション能力の質を疑ってしまいます。

以前、私が失業した時に採用面接官から一方的に言われた言葉を、今でも時折思い出します。

「うちの会社はねえ、イチロー松井秀喜レベルの人材しか興味無いんだよ。正直に言うと君、期待外れなんだよ。」

今でもこの会社が、まともな組織として機能できているのかは知る由もありません。